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執筆者の写真稲次真樹子

開業10年目

いつもと変わらない朝である。


本日は開業10年目、

あっという間に

過ぎていった9年だった。


苦しかったことや辛かったことは、

いくつかあったかもしれないが、

それらを忘れてしまうぐらい、

独立開業生活は、

楽しみや充実感の起伏に富み、

この人生に彩りを与えてくれた。


それ以前に、

20年ほどの会社員生活があった。

ここでの生活は、

苦行の連続であった。


現在も当時も、

基本は事務作業で、

重なる部分は大いにある。

例えば、会議体の運営など、

当時の使っていたスキルが、

いま、役立っていることもある。


なのに、

どうして、

天国と地獄のような違いに

感じるのだろうか。


おそらく、

私の性格に起因するのだと思う。


他人と同じことをしたくない。

沸きあがってくる

様々なアイデアを試してみたい。

全ての物事を自分で進めてみたい。


現在の仕事は相当固めではあるが、

働き方改革の時流にそって、

今までなかったような、

例えば「健康経営」のような

新しい仕事もでてきたりしている。

もちろん、私自身が、

新しい仕事をデザインして、

顧客に提供することもできるだろう。


そういう意味で、

未来に向かって無限に広がる可能性を

大いに感じるのだ。


ただ、廃業のリスクもある。


その時は、

会社員の生活には戻りたくないので、

トラック運転手でもしたい、

と、関与先の社員たちに話したら、

大笑いされた。

私はいたって真剣なのであるが。


いつもと同じサイクルを回しながら、

それでも前とは違う次元に、

向かっていることを信じて、

開業10年目をスタートさせた。


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